果奈学校闇部〜合宿編8〜

確か8だったよね…?うん、8のはず。←














「ぐああああああぁぁぁぁあっっっふけみけすまききをみすすせせてたせゆみごむ」
ぷとアヤが勢いよく山道を駆け下りて来た。本当にいいのは勢いだけで、二人はそのままその辺の草木に激突した。
「出た出た出た出た出た出たああああああああぁ!!!!」
顔は真っ青だ。よほど怖いものを見たのだろう。
まあ、その「怖いもの」は、だいたい分かるのだが。
「ちょ、もちつけ…何があった」
「はい、目を閉じて深呼吸〜〜」
「すー…はー…あああ駄目だ目閉じたらあいつの顔が浮かんでくるううううう!!」
「さあっどんどん行くよー!」
最も、二人の異常事態なんて気にもとめずにドンドン進行していくかんなは、それ以上に脳みそが異常事態なのだ。
「Bチーム!!気ぃつけろ!マジあのオバケ、ここにいると呪っちゃいますよ、みたいな視線だから!」
「どんな視線!?行ってきマッチョ」
Bチームのいそのは割と堂々と山道を登り、ルキはビクビクしつつもいそのについて行った。
「がむばれーーえぇ」
かんなはブンブン手を振って、いそのも軽く手を振り、アヤとぷは若干不安気な顔で見送り、他の人たちはポカンとしていた。当たり前だ。逆に、かんなの脳天気振りについて行ける方が駄目な人だ。だからと言って、かんな除く闇が完全常人、というわけではない。超酒豪な研究家、ショタホモ、変態3TOPなど得体の知れないやつが山ほどいる。
「……そういえば」
外見的に一番常人に見えるアヤとて、例外ではなかった。
「オバケを倒したら100万とか言ってなかった?」
そんなアヤの中で何かが崩れる音がした。
「うん。ワンチャンスだからAチームはもう無理DEATHね」
いつもならイライラ来ているかんなの声も、今のアヤの耳には虫の羽音くらいのボリュームでしか聞こえていなかった。
アヤは、オバケを見た時よりも大きな声で絶句した。
「ひゃくおくうううううう!!!!!」
「100億じゃねーし話盛るな!」



「今、アヤの悲鳴とかんなのツッコミが聞こえた気が…」
「かんな様のツッコミ?なら絶対幻聴」
「ひでえな!かんなだってツッコむわ!」
Bチームは、結構山道の奥まで来ていた。Aチームに言っちゃあ悪いが、余裕だ。余裕すぎる。心の中でウルトラソウル唄っちゃうくらい余裕だ。ルキは、まあ大分ビビっているようだが。
山頂に差し掛かる、という所で、ふいに気配がした。
風の流れが変わった。
明らかに常人以外の気配がした。
頬がピリピリした。
「来るぞ」
「ぁえ!?」
いつもは敏感なルキも、対応に遅れた。
「先手必勝ッッッ!!!」
いそのはルキの指示を待たず、藪の中へ突っ込んだ。そして、右から会心のキックを“それ”に見舞った。
“それ”は勢いよく左に吹っ飛んだ。砂埃を上げて地面を滑っていく。
「こそこそ隠れるから、こういうことn…」
いそのは初めて“それ”を見たとき、正直少しビビった。紛れもなく、ここにいると呪っちゃいますよ、的な視線だった。しかも、関節が変な方向へ曲がっていて(以下略)。
極めつけは、そのオバケがすぐさま受け身をとって立ち上がり、戦闘体勢に構えていた。
「…なんか、シュールで怖いし」
だが、いそのはそれほどビビっていなかった。一気に距離をつめて腰から短剣を抜いて斬りかかった…はずだった。
そいつは背から魔術の元(魔術用語で触媒とも言う)の指輪を取り出し、放り投げた。すると、様々な宝石や魔術用鉱石(クリスタン)が着いた指輪が一瞬にして消えた。と同時に、そいつは「AgRAdhWgARfEYOrdug olm 253」
と短く唱えた。
すると、いそのの手に持っていた短剣が、手からはじけ飛んだ。
「ふっ…魔術には魔術で対抗…ルキ!魔術でこいつを粉ごn…って」
へんじがない ただのしかばねのようだ
「気絶してるううう!!!」



「…で、そのまま戦うわけもいかず、担いで帰った、と…」
「…うん……まあいいか楽しかったし」
「じゃー次のチーム…って俺とkかい何このペア!!」
「こっちの台詞じゃい」








つづく★
さんきゅうふぉううぉっちんぐ。