DC〜地獄の先戦闘編〜

「ワーシーンートンDーーCーー♪DーーCーー♪」
「かんなさん本番始まってます!」
「まじで!?」





















出発の朝は、良い天気とはとても言えなかった。
最初は雲だけだったものの、雨がぱらつき初めて、今は本降りだ。だが、そんなことは闇の足止めにすらならない。
これが地獄の先の仕業だったらマジでブッ殺そう。全員の固い決心を胸に、ルキの魔術でなんとか屋敷についた。魔術といっても、私物で個人の場所を特定する、どちらかというと魔法に近い魔術だった。地獄の先の物と思われる吹き矢の筒が放り投げてあったので、たまたまその魔術が使えた。
しかし、それすら地獄の先の算段だと思われるのがまた腹立たしい。まあ、この位で腹を立てていたら始まらない。
みんなは屋敷を睨んだ。
ぴりぴりした空気の中、ルキが言った。
「結界がはってある。とても強い結界」
「結界なんてこのユイ様がぶった斬っt」
「強行突破したらすぐ敵にバレるような結界」
「まじか……」
「じゃあどうするの?」
「屋敷に出入りしてる兵士がいるでしょ?」
ルキは遠くの兵士を指さした。
「結界は普通、作った本人以外入れない原理なの」
「じゃあ仲間はどうやって入るの?」
「作った本人が決めた特定の鉱石を用いれば入れる仕組みよ。だから、あの兵士は…」
「あ、そっか」
アヤはポンと手を打った。
「鉱石を隠し持っているか、鎧の中に鉱石が仕組まれている、ということね」
「そう」
ルキは感心したように頷いてから、こう切り出した。
「では、私たちが入るにはどうしたらいいでしょう」
「俺はもう分かったぞ」
「りんも」
「うーん…分かった!」
「え?何?ちょ、全然分かんない」
いそのやユイの年長組を除く全員は、理解が早い。二年、一年は声を揃えて答えを言った。
「出てきた兵士を一人殺って、鉱石を奪う」
「正解〜〜〜」
「三年頭カタいな〜〜〜〜」
「うるへー!」
こんなことを言っている間に、ルキはもう魔術用サークルを完成させていた。
「兵士が出てきたら、私が魔術でどうにかするから一気にたたみかけて」
そう言って触媒を投げ、魔術用語を唱えた。
「Ran atshao1228115jqh」
一人の兵士が出てきた。魔術によってそのローブに火がつき、やがてメラメラと燃え広がった。そいつは慌てて消そうとするが、炎精霊Ranの火の威力はそんなことでは収まらない。k、ユイ、アヤは一瞬の隙を逃さず、一気に倒した。
「さーて、こいつの持ち物物色だ」
「物色!!」
「いや、とんねるずの「実食!!」風に言わなくていいから」
「ん、これじゃね?」
そう言ってぷが拾い上げたのは、小さい巾着だった。中にジグネヴィアという赤黒い鉱石が入っている。
「これね。でも、一つしか入ってない」
「一人しか入れないってこと?」
「ええ」
「いっせーのーで」
kが敵に見つからない程度の声で叫んだ。つまり、いっせーのーで、のタイミングで適任だと思う人を指差す、という、シンプルな多数決だ。
「どん!」
指は…
本人以外、全てりんの方向へ向けられている。
「なんでやねん!」
「だって、りんは地獄の先に顔知られてないし〜」
「小説であんま出てないし〜」
「ショタだし〜」
「ホモだし〜」
「最後の二人うるせえええ!!」
「じゃ、りんは屋敷に潜入して、結界の源の奴を殺ってきてね」
「待ってよ!結界の源つったって、そんな奴どうやって見分け…」
「そう言うと思って、強い魔力に反応する鉱石でできたブレスレットをご用意しました☆」
「どんだけ準備いいんだ!完璧か!」
「じゃ、行ってらっさい♪」
「うう…行くしかないか…」








★補足説明



•「どちらかというと魔法に近い魔術」


魔法は、精霊を呼び出さない(触媒も不要な)魔力を使った術のこと。つまり魔法に近い魔術ってのは、精霊は居るけど触媒が不要な魔術さ!サークルと魔法用語だけで出来るなんて便利ー★(CMか




•「とんねるずの「実食!!」風に」


食わず嫌い王決定戦でggr
もしくはとんねるずのみなさんのおかげでしたを見ろ
最近やってないと思うけど…





•「強い魔力に反応する鉱石」


ここではサファイアのこと。






さんきゅーふぉーうぉっちんぐー



明日定期テストやね。